何もできないことに気がついて、何とかしたい、せめて、何かしたい、と思ったところから、リーバーが始まりました。
医学の進歩は目覚ましく、かつては治療困難とされていた疾病でも、現在では完治が見込めるものが少なくありません。一方で、未だ有効な治療方法が確立されていない疾病も数多くあります。
私たちフェアリーベン株式会社は、新薬、新医療機器の開発に関わる看護師と薬剤師が、医薬品等の臨床開発により、疾病に苦しむ患者さん達の一助となることを目指して設立した会社です。
医薬品等の臨床開発を通じて、医療機関や製薬会社とともに、新たな治療薬、医療機器等を世に送り出すことが、患者さんに貢献できることだと考えています。
新薬を待ち望む患者さんは沢山いるので、開発は常に続けられなければならず、僅かでも私たちもその一翼を担うことに自信と誇りを持っています。
しかし、それは、間違いではないものの、ある意味では一方的な思い込みでした。
とても残念なことですが、治療を終えた患者さんの中には、笑顔を取り戻しきれていない方もいらっしゃいます。医療関係者の考える治療のゴールが、患者さんの思い描いていたものとは、違ってしまうこともあります。
重度な疾患であれば、使用する医薬品も必然と作用の強いものになり、狙った特定の疾病のみを選択的に治療することは難しく、他の作用が出てしまうことがあります。例えば、抗がん剤を使用すると、アレルギー反応、
発熱、吐き気、嘔吐、疲れやだるさ、食欲不振、下痢、便秘、脱毛、皮膚の角化や色素沈着、手足のしびれ等、様々な症状が起こることがあります。事前に説明されても、これらがどの程度の症状で起こるのかは、起こってみるまで本人には分かりませんし、医療関係者も予想することはできません。起こってみて、初めて、こんなはずではなかったと思うこともあります。
他人が些細に思えても、本人には重要であることがあります。特に整容に関わる脱毛や皮膚の色素沈着は、重要視される方も多くいます。鑑で自分を見ると嫌になるという患者さんに、治療のために今は我慢と伝えることは簡単ですが、苦しむ患者さんの助けになる言葉ではありません。
新薬や新たな医療機器は、とても重要で有効ですが、全てではありません。それだけでは解決できないこともあります。
私たちにできることは何だろう、考えている時に、私たちの中にも、闘病生活を送る者が出てきました。
新薬の開発を担当していても、目の前で苦しむ仲間の、患者さんの、悩みひとつ解決できない自分たちに、苛立ち、落ち込みました。そして、何もできないかもしれないけれど、何とかしたい、せめて、何かしたい、と強く思いました。
私たちフェアリーベン株式会社にできることは何か。患者さん達の声を聴いて、求められるものを、悩みを解決する手助けになるものを、医薬品等の臨床開発を担う看護師と薬剤師の知識と経験を総動員して、誰にでも使いやすく、安全に、安心して長く愛用できるものを、届けることだと考えました。
そのための、患者さんのためのブランド名を「Lieber(リーバー)」としました。「Lieber(リーバー)」はドイツ語で「より好ましい」の意味です。私たちにできる最大限の気持ちを込めて、患者さんに「より好ましい」をお届けできる製品の企画、開発、販売を行います。
一方的ではなく、患者さんの一助となれることを目指して、「Lieber(リーバー)」を展開してまいります。「Lieber(リーバー)」を、どうぞよろしくお願いいたします。